概要
菅野ダム(すがのダム)は、山口県周南市中須北の錦川本川上流部に築かれた高さ87メートルの多目的ダムです。二級水系である錦川に建設され、県内では阿武川ダムに次ぐ規模を誇ります。工業用水と上水道の供給、そして下流域の治水を担う存在として、周南地域の暮らしを静かに支え続けてきました。山あいに広がる貯水池と大きな堤体は、周南の内陸部ならではの落ち着いた水辺の景観をつくり出しています。
見どころ
- ●高さ87メートル、県内屈指の規模を誇る堂々とした堤体
- ●水没した菅野集落の名を受け継ぐダム湖の物語
- ●山あいに静かに広がる貯水池と周囲の緑の景観
- ●工業用水・上水道・治水を兼ねる多目的ダムとしての役割
歴史・背景
錦川水系ではもともと1940年(昭和15年)完成の向道ダムが工業用水源の役割を担っていましたが、戦後の急速な工業化で水需要が跳ね上がり、上水道確保も課題となりました。そこで錦川総合開発事業の一環として菅野ダムが計画され、1965年に完成します。建設では328ヘクタールの用地が取得され、163戸が移転を余儀なくされました。かつての都濃郡中須村菅野の集落が水没し、その地名がダムの名として今に受け継がれています。
アクセス
山口県周南市中須北、北緯34.14度・東経131.90度付近の内陸山間部に位置します。周南市中心部から錦川沿いに車で山側へ向かうルートが一般的です。公共交通の便は限られるため自家用車での訪問が現実的ですが、最新の道路状況や見学可否は公式情報で確認してから出かけると安心です。
ベストシーズン
新緑がまぶしい初夏と、山肌が色づく秋がおすすめです。周囲の山々の緑や紅葉が湖面に映り込み、静かな水辺の景色が引き立ちます。梅雨や台風の時期は放流や増水で立ち入りが制限される場合があるため、天候の安定した日を選ぶとよいでしょう。
地図
34.1411, 131.9040 · Wikidata
モデルコース
- 1周南市中心部を出発し、錦川沿いに山側へドライブ
- 2菅野ダムに到着し、堤体と貯水池のスケール感を眺める
- 3湖面に映る周囲の山並みを楽しみながら写真撮影
- 4帰路に周南の温泉や郷土料理で一日を締めくくる
豆知識
💡 菅野ダムは錦川の最下流に位置するダムであることから、近年は治水面での役割が重視されています。2005年(平成17年)の台風14号による豪雨で下流の岩国市各地に冠水被害が出たことを教訓に、事前放流によって緊急時の洪水調節容量を確保する運用へと計画が見直されました。下流側では洪水調節を主目的とする平瀬ダムの建設も進められています。
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