
概要
上大須ダムは、岐阜県本巣市根尾の上大須地先、木曽川水系揖斐川の支流である根尾東谷川をせき止めて築かれた高さ98メートルの巨大なロックフィルダムです。中央土質遮水壁型と呼ばれる工法で、岩石を積み上げた堤体の中心に粘土質の壁を通して水を止める構造になっています。単なる治水や利水のダムではなく、中部電力の揚水式発電所である奥美濃発電所の下池を形づくる要として造られた点が最大の特徴で、山あいに広がる静かなダム湖と本格的なロックフィルの堤体を同時に楽しめる、電源開発の現場をそのまま体感できるスポットです。
見どころ
- ●高さ98メートルの中央土質遮水壁型ロックフィルダムの堂々たる堤体
- ●奥美濃発電所の下池を形づくる山上の静かなダム湖
- ●上池の川浦ダム湖と水を往来させる揚水式のダイナミックなしくみ
- ●6台の水車発電機で最大150万キロワットを生む電源開発の現場
歴史・背景
着工は1976年で、完成は1995年と、およそ20年の歳月をかけて完成した大規模プロジェクトです。この長い工期には、山深い根尾の地に巨大な人造湖と発電施設を築く難しさが表れています。上大須ダムがつくる下池と、上流側の川浦ダム湖がつくる上池との間で水を往来させ、電力需要の少ない時間帯に水をくみ上げ、需要の多い時間帯に落として発電する揚水式のしくみが採用されました。6台の水車発電機によって最大150万キロワットという大出力を生み出し、電気を「ためて使う」現代的な発電の考え方を体現しています。
アクセス
岐阜県本巣市根尾の上大須地区、北緯およそ35.74度・東経およそ136.66度に位置します。根尾川沿いをさかのぼった山間部にあり、公共交通でのアクセスは限られるため、自動車での来訪が現実的です。冬季は積雪や路面凍結の影響を受けやすい山岳地帯のため、季節や道路状況を事前に確かめてから出かけると安心です。見学の可否や立ち入りできる範囲は時期により異なることがあるので、詳細は公式情報で確認をおすすめします。
ベストシーズン
新緑がまぶしい初夏から、山肌が色づく秋にかけてが最も過ごしやすい季節です。特に秋は周囲の山々の紅葉がダム湖の水面に映り込み、静かな山上の景色を存分に味わえます。冬は雪深く道路事情が厳しくなるため、無理のない計画を立てましょう。
地図
35.7375, 136.6619 · Wikidata
モデルコース
- 1根尾川沿いをさかのぼり、山あいのダムサイトへ到着
- 2堤体を眺めてロックフィルの巨大さと構造を体感
- 3ダム湖の水面と周囲の山並みが織りなす静かな風景を撮影
- 4上池と下池をつなぐ揚水発電のしくみに思いをはせて帰路へ
豆知識
💡 上大須ダムがつくる貯水池の流域面積はおよそ12平方キロメートル、満水時には約45ヘクタールの土地を湛え、約1450万立方メートルもの水をためることができます。この水を上池との間で行き来させることで、まるで巨大な蓄電池のように電力を調整しているのが揚水式発電の面白さです。
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